Lecture|医療のかかり方
専門医を知って医者を選ぶ
その症状、何科に行く?
安全衛生委員会講話|スライド4枚|所要約15分。医師が専門医になるまでの道のり、「専門医」の種類と見分け方、症状や健診結果から受診する科の選び方、産業医を選ぶときに確認したい資格を整理した資料です。
この講話の要点(3行で)
- 専門医は、2年間の初期研修のあと19ある基本領域から1つを選び、3〜5年の専門研修と試験を経て認定されます。原則5年ごとに更新があり、「何の専門医か」は医師選びの大切な手がかりです。
- 「〇〇専門医」「〇〇認定医」には、学会や団体が独自に認定するものも多く、基準は団体ごとにさまざまです。どの分野の、どの団体の認定かまで確認し、基本領域・サブスペシャルティの専門医かを目安にします。
- 受診先に迷ったらかかりつけ医・総合内科に相談し、専門の科へは紹介状を持って行きます。産業医の資格は研修で取得でき臨床経験の年数は問われないため、産業医選びでも専門医の有無、メンタル対応なら精神保健指定医・精神科専門医かを確認すると安心です。
講話スライド(4枚)




本資料は、社内の安全衛生委員会・研修での利用に限り、自由にご利用いただけます。改変・転載・再配布はご遠慮ください。内容は作成時点の公開情報に基づくもので、個別の診断・治療の判断は医師にご相談ください。
講話のポイント
1. 医師はこうして「専門医」になる
医学部6年の教育と国家試験を経て医師免許を得たあと、2年間の初期研修で内科・外科・救急などを回り、医師としての基本を身につけます。その後、内科・精神科・外科など19ある基本領域から1つを選び、指導医のもとで3〜5年の専門研修を受け、修了後の試験に合格して専門医と認定されます。さらに循環器・消化器・糖尿病などのサブスペシャルティへ進みます。専門医は原則5年ごとに更新があり、診療を続けながら学び直しています。
2. 「専門医」にも、いろいろあります
日本専門医機構が認定する基本領域とサブスペシャルティの専門医のほかに、学会や団体が独自に認定する「〇〇専門医」「〇〇認定医」も数多くあり、研修年数や試験の基準は団体ごとにさまざまです。なお、2018年に今の制度が始まる前から、各学会は同じ分野の専門医を認定してきました。病院ホームページの医師紹介では、どの分野の、どの団体の認定かまで確認し、基本領域やサブスペシャルティの専門医かどうかを目安にします。
3. その症状・健診結果、何科に行く?
健診で血圧・心電図を指摘されたら循環器内科、血糖・HbA1cなら糖尿病・内分泌内科、肝機能・胃腸の検査なら消化器内科、尿たんぱく・腎機能なら腎臓内科、胸部X線・肺機能なら呼吸器内科が目安です。眠れない・気分が沈む・不安が続くときは精神科・心療内科へ。迷ったらかかりつけ医や総合内科に相談し、健診結果とお薬手帳を持参して、専門の科が必要なら紹介状をもらいます。突然の激しい胸痛、ろれつが回らない、手足が動かないときは、科を選ばず119番です。
4. 産業医選びにも「専門医」というものさし
産業医の資格は所定の研修(日本医師会の基礎研修50単位など)で取得でき、臨床経験の年数は問われません。一方、休職・復職の判断や持病への配慮では、実際に病気を診てきた経験がものを言います。基本領域の専門医は臨床経験を積んできた目安になり、メンタル対応なら精神保健指定医(5年以上の臨床のうち3年以上精神科で診療し、厚生労働大臣が指定)または精神科専門医、持病への配慮なら循環器・糖尿病など内科系サブスペシャルティの専門医かを確認すると安心です。資格がすべてではありませんが、どんな臨床経験を積んだ先生かが安心の目安です。
出典・作成時点
- 日本専門医機構「一般の皆様へ」「サブスペシャルティ領域一覧」
- 精神保健及び精神障害者福祉に関する法律 第18条(精神保健指定医)
- 日本医師会「認定産業医制度」
- 作成時点:2026年9月(記載内容は作成時点の情報です)
執筆・監修:黒田 優(精神保健指定医・産業医・総合内科専門医・循環器専門医/ハートコミット合同会社 代表社員)
OCCUPATIONAL HEALTH
医師選びの「ものさし」を、職場の共通知識に。
ハートコミット合同会社では、精神保健指定医・総合内科専門医・循環器専門医である代表医師が、顧問先の安全衛生委員会で講話を行い、健診事後措置や休職・復職の面談で主治医と連携しながら個別の対応につなげています。
