高ストレス者の面接指導とは|企業がすべき対応と「申出がない」ときの考え方

ストレスチェックで「高ストレス」と判定された従業員への面接指導。制度上は本人からの申出が前提のため、「申出がなければ会社は何もしなくてよい」と誤解されがちです。しかし実際には、企業側にできる働きかけが多くあります。この記事では面接指導の仕組みと実務のポイントを解説します。

面接指導は本人の申出が前提。ただ、申出を待つだけでなく、申出しやすい環境づくりと受診勧奨は企業側から動けます。

目次

面接指導の対象と、申出主義という仕組み

ストレスチェックの結果、高ストレス者と判定され、実施者(医師等)が面接指導を必要と認めた従業員が対象です。ただし面接指導は本人が申し出た場合に行う仕組み(申出主義)で、結果は本人にのみ通知されるため、会社は誰が高ストレスかを原則知ることができません。

なぜ申出率は低いのか

  • 「申し出たら評価や処遇に響くのでは」という不利益への不安
  • 「面談を受けて何が変わるのか」が伝わっておらず、意味を感じられない
  • 多忙で時間が取れない、手続きが面倒

全国的にも高ストレス者のうち面接指導を申し出る人はごく一部にとどまります。放置すれば、不調が深刻化してからの休職という最も避けたい展開につながります。

申出を増やすために企業ができる3つの工夫

  • 不利益取扱いの禁止を明文化して周知する——「申出を理由に不利益な扱いは一切しない」と就業規則や社内通知で明示します。
  • 申出の手続きを簡単にする——メール1本・フォーム1回で完結する窓口にし、上司を経由させない設計にします。
  • 実施者(産業医側)からの勧奨を活用する——本人の同意のもと、実施者から対象者へ直接受診勧奨を行う方法は、会社が高ストレス者を知らないまま申出を後押しできる有効な手段です。

面接指導の当日と、その後の流れ

面接指導では、医師が勤務状況・心身の状態・生活状況を確認し、必要に応じて就業上の措置(労働時間の短縮、業務内容の調整、深夜業の回数減など)について事業者へ意見を述べます。会社はこの意見を踏まえ、衛生委員会への報告や職場環境の改善につなげます。面接指導の結果の記録は5年間の保存義務があります。

申出がなくても「何もしない」はもったいない

申出がない場合でも、セルフケア情報の提供、社内外の相談窓口の周知、管理職向けのラインケア研修など、集団としての対策は打てます。ストレスチェックの集団分析を職場改善に活かすことも有効です。

まとめ

面接指導は従業員への「罰」や「選別」ではなく、不調が深刻になる前の回復への入口です。申出しやすい環境づくりと、産業医からの勧奨の仕組みを整えることで、制度を形だけで終わらせず、休職者を減らすことにつながります。

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